オランダ、ワーヘニンゲン大学から、農村社会学の研究者の方々に訪問いただきました。
経済学を研究するインターナショナルな学生さんたちも一緒の訪問団は、総勢約10名。
京北の農林業について京北農林業振興センターの方々からお話を伺ったあと、黒田と耕し歌ふぁーむを訪問いただきました。
京北農林業振興センターの職員の方々からは最初に、京北の農林業の現状についてブリーフィング。農家のほとんどが「兼業農家」という実態に、驚かれていたようでした。
また、京北での農業振興の一環として、新京野菜を開発したり、農家さんが導入しやすいようバックアップしたり、マーケティングを行ったりしていますとの説明に、「新京野菜って何?」という質問が。
「どう京野菜とつながりがあるのか?」
確かに。
今まで何となく受け入れてましたが、京北子宝芋(里芋の一種)とか京ラフラン(大根とコールラビのかけあわせ)が、どうして「新」京野菜なのか、と聞かれれば、わたしたちも???
対する答えはなんと、「開発の中心を担われた京都大学の先生の好みで・・・」とのこと。
京北子宝芋は、子どもがどんどん減少している京北なので、子どもが増えてほしいとの願いも込めています、との説明に、
「食べたら子どもができやすくなるのですか?」
との質問に、一同大笑い。
最後にまとめとして、とおっしゃったことに頷きます。
「獣害が年々ひどくなる中、ネット、電柵を管理し、その中で農業や林業を守る人がいない。この点をどうするかが、大きな課題です。」
その後、耕し歌ふぁーむの田んぼに水を供給してくれている水路を見学しました。
田んぼへは、上桂川(桂川上流域)から取水され、約数百メートルの水路を経て水が届きます。その水路には、江戸時代に使われていた水路跡に平行するように、大正時代に大きな岩盤をくりぬいて作られた箇所があります。
数メートルにも及ぶ大きな岩盤は、重機もなかった時代にくりぬかれたとは信じられないぐらいの巨岩です。
「それほど、ここから水を引くということが大切だった、ということだ」
と納得されていました。
ここ数年の異常気象による度重なる大水の話もしながら、田畑も訪問いただきました。
「”オーガニック”や”安心安全な(農薬などを使わない)食”について関心は高まっているとはいえ、高価で、富裕層しか手が届かない、でいいのだろうか。」
「だからといって、現状のような安すぎる農作物の値段では、ただでさえ少ない若い担い手は農業を続けられなくなり、ますます少なくなる」
「日本の農作物は安いのかもしれないが、韓国の野菜はもっと安い。日本に来て最初は、野菜が高いと感じて買うことをためらった。それでも、フェアな価格ではないんだよな。」
「野菜を中国に送ったら(売ったら)どう?」
「えっ!?航空便で送ったら、すごい金額になるのとちゃう?」
「いくら高い金額を出しても買う人はかなりいますよ」
(ホンマにっ!?)
オーガニック農業や農村について、様々な議論が飛び交い、とても有意義な一日でした。