ぎおん豆 Gion Green Beans
祇園祭りの頃に植えるから「ぎおん豆」。
京都の地豆で、インゲン豆の一種です。他の地域では「七夕豆」と呼ばれたりするそうですが、「ぎおん豆」というところが京都っぽいですね。
祇園祭の頃に種を播き、日が短くなってくると花をつける品種のようです。収穫は霜が降りるころまで。
このあたり(寒いっ)で栽培するには、不利すぎる豆のように思えます。収穫できる時期が短すぎるのです。
だからかな、市場ではあまり見かけることがないようです。
自家採種で栽培し、種を採り、大切に保管し、また種を播いて、細々とつなげてきたお豆さん。食べられる時期も短い。それでも種を播いてきたのは、おそらく、「おいしいから」。
私たちも、最初は近所のおばあちゃんから種を分けていただきました。「おいしいお豆さんやし、畑のすみにでも植えとき」って。
若い鞘はサヤインゲンとして、さっと湯がいて食べると、滋味深い甘みと食感がおいしいです。
乾燥させた豆は少しクリーム色がかかった白色の楕円形の豆です。たぶん、お豆さんとして甘く炊いて食べられるような(もうちょっと詳しく聞いておけばよかったー時すでに遅し…)。実はどういう風にして食べられているか、あまり知りません。ご存知の方、どうぞ教えてください!
さて、インゲン豆はもともと中南米原産です。コロンブスがアメリカ大陸と出逢ったことによって、インゲン豆は海を渡ってヨーロッパに、ヨーロッパからアジアに伝えられました。そして中国から日本へは、隠元禅師が伝えたとされます。地球を一周ぐるりとしてきたお豆さんが、地域文化に根ざしているなんて、わくわくしますよね。