私たちの農場に関心をお寄せくださり、ありがとうございます。

現在、農場プロジェクトはいったん一区切りを迎え、農産物の販売は行っておりません。ただし、メンバーの持続可能な農業への思いは変わることなく、今は研究と教育というかたちで、その実現に貢献すべく取り組んでいます。

もし、持続可能な農法で生産された農産物を手に入れたい、それにより農山村の生態系や農業者の暮らしの維持に貢献したいとお考えでしたら、有機農業を含めた持続可能な農業に取り組む農家の方々が各地で活躍されています。さらに、そうした生産者と消費者をつなぐ「産消提携」に取り組む団体もあります。

京都にお住まいでしたら、以下3団体がおすすめです。ぜひ、そうした生産者の方々や団体とつながっていただければ幸いです。

稲についたヤゴの抜け殻。

稲についたヤゴの抜け殻。

「赤とんぼ」は日本の原風景と言われますが、その代名詞とも言えるアキアカネの一生はとても神秘的です。田んぼとともにあるその一生を、ご紹介します。

まずアキアカネは、秋の田んぼで卵を産みます。稲刈り後の田んぼの水たまりなどに産み付けるのです。その後、田んぼが乾燥しても大丈夫なところがスゴイ。そして、そのまま冬を越します。

田植えも目前の5月から6月上旬、田んぼには水が張られます。

その頃に卵がかえります。ヤゴになるのです。

ヤゴは初夏の田んぼで育ちます。田んぼにはヤゴのエサがたくさんあります。ユスリカの幼虫のボウフラやプランクトンなどです。ぐんぐん大きくなって、ある日の夜、少し大きくなった青々とした稲にのぼり、脱皮します。

アキアカネは涼しいところが好きなので、脱皮してトンボになったら、暑い夏は山で過ごすのだそうです。

そして秋になればまた田んぼに戻ってきて産卵します。秋の田んぼの風景を彩る「赤とんぼ」として、田んぼの上を舞うのです。

このとんぼのいのちのサイクルと田んぼとのコラボを知ったとき、とても感動しました。

アキアカネは、秋の田んぼに水がなかったとしても、春になれば、卵がかえるころになれば、田んぼに水が張られることを知っているのです。そんなことを知っているトンボって、すごい!

ところで、なぜアキアカネを始めとしたトンボは田んぼが好きなのでしょうか?

理由はいろいろあるそうですが、田んぼの水は温かいこと、流されないこと、エサがたくさんあること、などが理由なようです。トンボにとって生きやすい環境なのですね。

さて、どのぐらいの数の赤とんぼが、田んぼで産まれているのでしょうか。

それを丹念に調べた方がいます(田んぼ中をまわってトンボの数を数えたらしいです!)。宇根豊さんというお百姓さん。

その方によると、だいたい1~4株ごとに赤とんぼが育っているらしい。田んぼごとに異なるのでしょうが、これをもとにすると、だいたいお茶わん半杯~2杯に1匹の赤とんぼが産まれていることになります。

お茶わん2杯食べれば、赤とんぼ1匹が育つ環境をサポートしていることになるーそう考えると、今日もおいしくご飯が食べられるというものです!

さて、今日もいっぱい汗流して働いて、がっつりご飯を食べて、赤とんぼのゆりかごをサポートしよう(*^▽^*)

*写真は7月初旬のもの。1株に2匹の抜け殻がついていて、大興奮!

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