九条葱 Green Onion
京都の代表的な伝統野菜の九条葱。
今から1300年ほど前の712年に京都に導入されました。
京都では「ねぎ」と言えば九条葱のことを指します。
中国から到来し日本各地で定着した葱ですが、各地の気候風土にあった品種が育ちました。
関東では、主に白い茎部分を食べます。青い葉の部分は堅いため食べないことが一般的なのです。
それは、雪深い地域や、冬のからっ風に耐えるよう土寄せする地域のため、白茎部分を伸ばす品種が育ったからだそうです。
逆に、冬が比較的温暖な関西では、霜を浴びながらも柔らかい緑葉が育ち甘みを増す九条葱が一般的です。
京都人のお宅に食事に招かれた関東人が、すき焼きに「葱の葉部分」が入っていて「京都では堅い葱の葉まで食べるのか」と驚き、食べてみて柔らかいことに二度驚く、という話まであるぐらいです。
白ねぎと違って緑の葉にはカロチンやビタミンBを多く含むので、九条葱をふんだんに入れた温かいみそ汁は風邪予防になるとも。
鍋や薬味にはもちろん、油揚げやイカとのぬた、酢味噌あえ、煮物など料理の幅がとても広く、主役の味を引き立たせます。
九条葱のあまみとうまみは、霜にあたり、葉の内部にぬめりが出る頃が最高と言われます。
底冷えのする、厳しい冬で知られる京都・京北で育つ九条葱は格別です。旬の味をお楽しみください。